中小企業向けの減免制度について

著者:【弁理士】大上 寛

※こちらの情報は2021年7月時点のものです

7月に入り夏本番間近となりました。日差しも強まり外出の際には日焼け止めが必須ですね。数年前?に『日傘男子』が話題になりましたが、最近はメンズのスキンケア用品もどんどん充実していますし、早いうちから積極的に取り入れたいところですね!携帯型の扇風機(ハンドファン)も流行っていますし、首掛け型の扇風機も登場しています。持ち物が増える一方ですね(笑)。

流行商品を特許で保護することができれば、市場を独占することができます。しかし、特許取得や権利維持にはコストがかかりますので、コスト的な面で断念する企業様も多いと考えます。特に、定期的に特許出願をしておらず、慣れていない企業様にとってはハードルが高いところですね。

そこで、今回は中小企業向けの減免制度についてご紹介します

1.一件の特許をとるのに100万円?

特許権取得には結構なコストが掛かるということは、経営者の皆様はよくご存知であると考えます。このコストのうち、多くを占めるのが出願書類の作成を弁理士に依頼したときの手数料です。数十年前は弁理士手数料は弁理士会で規程されており、どの弁理士(特許事務所)に依頼をしても大差はありませんでした。出願書面作成や複数の中間処理、特許庁面接なども含めると100万円を超えるケースもあったようです。『特許は金ばかり掛かる』という印象をお持ちの経営者様も多いようです。

2.手数料の自由化

現在の弁理士手数料は自由化されていますので、特許事務所によって料金に大きな差があります。出願書類の作成も、例えば15万円~30万円などの幅があり、権利取得まで50万円~65万円ほどで収まる場合もよくあるといえるでしょう。初めて弁理士に依頼する場合には事前に登録までの見積をもらうのが安全です。

3.審査請求料、特許料の減免について

前置きが長くなりましたが、今回のテーマは、特許庁に支払う印紙代の減免です
特許権を取得するには、弁理士に依頼する場合の手数料の他に、特許庁に印紙代を支払う必要があります。印紙代のうち、多くを占めるものの一つが、審査を受けるための審査請求手数料です。ご存知のように、特許庁は出願するだけでは審査をしてくれず、審査を希望する場合には別途審査請求をする必要があります。この際の印紙代は、例えば、請求項の数が5である場合には¥158,000です。そして、減免の対象となる場合には、なんと半額になります。つまり、¥79,000オトクになります。かなり大きいですね。

4.特許料も半額に!

無事に特許権を取得できた後は、権利を維持するための特許料の印紙代の支払いが必要となります。この費用(印紙代)は、初回3年分は一括支払い、その後は毎年発生するものでして、いわゆるランニングコストということになります。この費用が、初年度から10年の期間半額になります。例えば、請求項の数が5である場合に、10年間権利を維持する場合には、印紙代が合計で約¥193,000となりますが、半額になります。つまり、¥96,500オトクになります。かなり大きいですね。

5.減免の対象者について

減免の対象となるには、「従業員数要件」又は「資本金額要件」のいずれかを満たし、かつ、大企業(中小企業以外の法人)に支配されていないことが要件となります。

【参考URL|特許庁ホームページ】
中小企業(会社)を対象とした減免措置について(2019年4月1日以降に審査請求をした場合
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/02_01.html


例えば、製造業であれば、「従業員数要件」は300人以下、「資本金額要件」は資本金3億円以下とされております。サービス業であれば、「従業員数要件」は100人以下、「資本金額要件」は資本金5,000万円以下とされております。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介の内容は現行の制度でして、今後変更される可能性もありますが、特許出願をお考えの場合にはぜひご活用ください。