労災上乗せ補償はなぜ必要か?

著者:【社会保険労務士】畑田 英一

※こちらの情報は2018年10月時点のものです

 最近では業務中のケガに加え、メンタルヘルス不調や過労による業務上の病気が労災として認定される件数が増えてきており、死亡事故や後遺障害が残るような重大災害の場合、事業主に対する民事上の損害賠償を求める労災訴訟に発展するケースもあります。

  そのような場合、政府の労災保険の補償だけでは損害賠償をカバーしきれません。特に中小企業で通勤災害を含めて労災事故が起こってしまった場合には、会社にとっても、ケガをした従業員にとっても大変な痛手となりますので、従業員へのできる限りの“手厚い補償”と政府労災でカバーできない部分を準備する“企業防衛”の両面を実現するため労災上乗せ補償が必要となります。

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業務災害による休業は10割補償!

 業務災害による休業に関する民事上の損害賠償請求権として、被災労働者は10割分の休業補償を請求する権利があるとされています。
 政府労災により8割分は補償されますので、事業主はその価額の限度で損害賠償の責を免れますが、残り2割分については損害賠償の責を免れませんので政府労災から支給された休業補償の日数分を自力で支払う必要があります。
 休業日数が3年近くまで長期となるケースもありますので、2割分とはいえ総額は大きなものになる可能性があります。

労災には慰謝料がありません!

 労災保険を自動車の保険に例えますと自賠責保険にあたります。車を運転する場合、自賠責保険の上乗せである任意保険の加入が無い状態は考えられないと思います。
 労災保険では、治療費、休業、障害、死亡に対する補償はありますが、慰謝料がありません。業務上の死亡事故や後遺障害が残るような重大な事故が発生し安全配慮義務違反が原因とした労災訴訟で多額の損害賠償の支払が必要な場合、労災補償の上乗せの任意の補償制度の準備は中小企業にとっては企業防衛のため必要性が増しています。

労災上乗せ補償制度の選択

 万が一に備え、企業防衛と従業員への手厚い補償の両面が実現可能な法定外災害補償制度の導入が求められます。
 企業防衛面では、使用者の安全配慮義務が問われる業務上災害について、2割分の休業上乗せと障害・死亡補償が被災者本人の所得に応じた内容になっていること。
 従業員への手厚い補償面では、通勤災害でも業務上災害と同様の補償が受けられることが求められます。

※TSCでは、皆様が安価で充実した法定外災害補償制度の導入ができるよう7行政庁より認可を受けた
「共済協同組合みらいふ」https://www.cacgr.co.jp/miraifu
を通して労災上乗せ共済のご提供を行っております。

新規導入のご検討、現状の見直し、使用者賠償責任保険加入での更なるリスクヘッジのご検討なども含めて詳しいご相談は、お気軽にTSCまでお問い合わせください。