助成金申請の注意点:成功への道のり

助成金は、要件を満たし必要書類を不備なく提出すれば支給される制度です。しかし、申請時には様々な注意点があり、事前の準備と正しい理解が成功の鍵となります。

目次

  1. 基本的な申請準備
    -申請期限の厳守
    -保険料の滞納チェック
  2. 必要書類の事前準備
    -基本的な添付書類
    -就業規則の重要性
  3. 法令遵守の確認
    -労働基準法等の遵守
  4. 申請時の実務的注意点
    -申請書類の記載
    -書類の不足対策
    -制度変更への対応
  5. 効率的な申請のために
    -チェックリストの活用
    -事前相談の活用
    -予算・期限の確認

基本的な申請準備

申請期限の厳守

助成金の申請には必ず期限があります。例えば、キャリアアップ助成金では、賃金支払日の翌日から2か月以内という明確な期限が設定されています。給与支払日が休日の為申請期限が前倒しになったり、役所の定休日の為提出期限が早まったり、ということもあります。余裕を持って申請期限の1か月前には準備を開始することをお勧めします。

保険料の滞納チェック

労災保険・雇用保険料の滞納がないことは、ほぼ全ての助成金で必須条件です。雇用保険に未加入の場合、助成金の申請が出来ない可能性があります(助成金の財源が雇用保険料で賄われているためです)。申請前には必ず保険料の納付状況を確認してください。

必要書類の事前準備

基本的な添付書類

ほとんどの助成金で以下の書類が必要となります。

就業規則の重要性

常時10人以上を雇用する事業所では、就業規則の改定後、速やかに労働基準監督署への届出が必要です。遅くとも助成金の支給申請前までに届出を完了させる必要があります。

法令遵守の確認

労働基準法等の遵守

助成金の要件には「労働基準法をはじめとする法令等を遵守していること」という条件があります。 以下の点を事前にチェックしてください。

  • 残業代の適正支払い:未払いがあると審査が一時中断し、場合によっては不支給となることもあります。
  • 労働条件の書面通知:雇用契約書等の作成は法令で義務付けられており、これがないと申請できないことがあります

申請時の実務的注意点

申請書類の記載

  • 記入漏れがないかの確認
  • 支給要件確認申立書での「いいえ」項目がないかチェック(「いいえ」があると支給を受けることができません)

書類の不足対策

添付書類が不足している状態では審査が行えず、後日提出を求められても提出できなければ助成金は不支給となる可能性があります。 申請前には必ずチェックし、漏れがないか確認してください。

制度変更への対応

助成金の要件や必要書類は毎年変更される可能性があります。助成金そのものがなくなったり新設されることもあるため、毎年4月1日の厚生労働省の発表を必ずチェックしましょう。

効率的な申請のために

チェックリストの活用

助成金申請には必ずチェックリストが存在します。申請内容に誤りがないか必ず申請前に活用しましょう。

事前相談の活用

要件や書類に不明点があるときは、是非TSCにご相談ください。また提出直前には助成金の窓口に事前相談することをお勧めします。 自社でどの助成金を申請できるかについても、TSCの助成金アンケートや厚生労働省の検索ツールや窓口で確認できます。

予算・期限の確認

助成金によっては予算や期限があり、途中で制度としてなくなるものもあります。 申請を検討している助成金については、早めに最新の状況を確認してください。

まとめ

助成金申請の成功には、事前準備と正確な理解が不可欠です。申請期限の1か月前から準備を始め、保険料の納付状況や必要書類の整備、法令遵守状況を確認し、不明点があれば窓口に相談することで、スムーズな申請が可能になります。