トイレットペーパーの特許

著者:【弁理士】坂根 剛

※こちらの情報は2025年4月時点のものです

海外の観光地や都市に行くとトイレが少ないと感じることがよくあります。
海外旅行に行ったとき、トイレを探して苦労した人も多いのではないでしょうか。
日本の街中には公衆トイレや商業施設のトイレが比較的たくさんありますので、とても便利だと感じます。
そして、何より日本のトイレは綺麗なのが嬉しいです。今回はトイレットペーパーの特許に関する話です

長さ3倍のトイレットペーパー

一般的なトイレットペーパーの3倍の長さのトイレットペーパーがあります。長巻トイレットペーパーは、高密度で紙が巻かれているため、通常よりもトイレットペーパーの交換回数を減らすことができます。また、省スペースで保管可能というメリットもあります。
「スコッティ」ブランドでトイレットペーパーを販売する日本製紙クレシア社がこの長いトイレットペーパーの加工技術に関する特許を所有しています。

侵害訴訟

2022年9月、日本製紙クレシア社が長巻トイレットペーパーに関する特許を侵害しているとして、大王製紙社を相手どって東京知財に提訴しました。
日本製紙クレシア社は、大王製紙社の「エリエール イーナトイレットティッシュー 長さたっぷり3.2倍巻」が、自社が所有する3件の特許に抵触するとして訴訟を提起しました。
クレシア社の特許は、紙の表面に凹凸を付ける特殊加工に関するものです。紙を高密度で巻くと中心部分で紙が固くなり、柔らかさと吸水性が低下します。その問題を解決しているのがクレシア社の特許です。

判決

2024年8月21日、東京地裁は大王製紙の製品は特許侵害をしていないとしてクレシア社の請求を棄却しました。
判決では、「大王製紙の商品は凹凸の深さが明確でなく、日本製紙クレシア社の特許の数値の範囲内にあるとはいえない。」としてクレシア社の訴えが退けられました。要するに、大王製紙社のトイレットペーパーも紙の表面に凹凸があるが、その凹凸の深さはクレシア社が所有する特許の範囲であるとは言えないという理由です。
クレシア社は、知的財産高等裁判所へ控訴する意向を示しています。

日本の技術

このトイレットペーパーに関する特許は、とても日本らしい技術だと感じます。
海外に行ったとき、公衆トイレにものすごく大きいトイレットペーパーが備えられているのを見かけることがあります。トイレットペーパーの交換回数を減らすためにはトイレットペーパーの巻き数を増やせばいいという発想です。巻き数を増やしながらコンパクトにしようとする努力をする点が日本らしいと思います。製品をコンパクトにしようとする日本の創意工夫は実際のところ日本の技術力の中核をなしていると思います。海外に行くといつも日本で使用している物よりも何だか大きくてゴツゴツした商品を見かけることが多いです。
日本では100均ショップにもシンプルでスマートな商品がたくさん並んでいます。国土の狭い国で培われてきた日本人の創意工夫の賜物でしょうか。

■お問い合わせ先

東日本

大上特許商標事務所
弁理士 大上 寛

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URL http://ogami.jpn.cx/
Mail hiroshi@ogami.jpn.cx

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