【Q&A】労働基準監督署での調査について

※こちらの情報は2020年4月時点のものです

Q.相談内容

先日、労働基準監督署から調査がある旨の連絡がありました。調査はどのような内容・手順で行われるのでしょうか。

A.回答

調査のことを臨検監督と言います。調査の種類には、「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」の4種類があります。調査では、労働基準法等に違反がないかを確認されます。具体的には、

  1. 正しく割増賃金が支払われているか
  2. 36協定や就業規則(従業員10名以上の事業場は必要)の作成がされているか
  3. 就業規則が正しく運用され、実態にあっているか
  4. 労働条件通知書・賃金台帳・出勤簿等の書類が作成されているか
  5. 労働安全衛生法に基づく健康診断は実施されているか

等を確認されます。調査により、法令違反や改善事項が発見されると、書面で指導を受けることになり、会社は指定された期日までに指摘された事項について是正状況を報告しなければなりません。

労働基準監督署(以下、労基署)の調査は以下の流れで行われます。

1.臨検監督の種類

  • 定期監督
    労基署がその年の監督計画に基づき、労働条件、安全衛生全般について調査されます。監督計画では、前年までの実績などから調査の対象事業所が任意で決定されます。
  • 申告監督
    労働者から労働基準法等各種法令違反の申告があった際に調査が行われます。労基署はその内容を確認し必要に応じて是正指示をします。
  • 災害時監督
    業務中に大きな労働災害が発生した際、原因の究明や再発防止の指導を目的として調査が行われます。併せて労働基準法に関する法律違反状況の確認をします。
  • 再監督
    上記3つの調査で指摘された法違反が指摘され、その後是正措置等がなされているか確認をするための調査。是正報告等が適正になされない場合も行われます。

※各調査は、事前に電話やFAXで調査日の予告があり、日程調査が行われるケースと抜き打ちで行われるケースの2種類があります。

2.調査当日の流れ

  • 帳簿や書類のチェック
  • 事業主や人事責任者へのヒアリング
  • 事業所への立ち入り及び社員へのヒアリング

上記3点のチェックが行われ、労働基準法等に違反がないかどうかが確認されます。

3.是正勧告書・指導票の交付

調査の結果、法令に違反する事実が判明した場合は、違反事項とその事実を是正しなければならない期限が記載された「是正報告書」が交付されます。また、法令違反ではないが、改善する必要があると認められた場合は「指導票」が交付されます。

4.是正報告書・指導票の提出

是正勧告書や指導票が交付された場合には、指定された期日までに指摘事項を是正・改善しなければなりません。そして、その結果を是正勧告書であれば「是正報告書」を、指導票であれば「改善報告書」を作成し、是正・改善を行った書類等を添付の上、労働基準監督署へ報告しなければなりません。