【Q&A】従業員を解雇するための注意点

Q.相談内容

メール、電話、郵便等の手段を講じましたが、従業員と連絡がとれず解雇を考えております。何か注意する点はありますか。

A.回答

行方不明や無断欠勤が続き連絡が取れない従業員を解雇するための注意点は次の通りです。

①労働基準法に基づき解雇手続きを行う。

労働基準法では、使用者が労働者を解雇する場合には少なくとも30日前に解雇の予告を行うか、30日分以上の解雇予告手当を支払う必要がございます。ただし、労働者の責に帰すべき事由の場合は、所轄労働基準監督署の認定を受けることで予告、予告手当を支払うことなく解雇することが可能です。また、解雇予告は解雇日を特定する必要がございます。解雇における予告日は、通常、解雇を通知した日となりますが、連絡がつかず郵便で通知を行う場合は、相手に郵便が到着した日が予告日となります。そのため、郵便で送る際の解雇日は、相手方に郵便が到着した日(予告日)の翌日から30日後となるように設定する必要がございます。

②解雇する旨を本人に通知する。

解雇を行うためには、解雇する旨を本人に通知する必要がございます。従業員と連絡がとれない場合は、解雇通知書を郵便で送付する必要がございます。その際は、郵便を送付した事実、郵便物の内容及び送付時期等を証明する「内容証明郵便」で送付することが望ましいです。

③解雇予告手当の計算方法

30日前に解雇の予告をせず解雇を行う場合は、「平均賃金×解雇予告期間が30日に足りなかった日数」で算出した解雇予告手当を支払う必要がございます。内、解雇予告期間は民法140条で、解雇予告した当日は含まれず、その翌日を初日として計算することと定められております。

④源泉処理の考え方

解雇予告手当は「退職所得」に該当致します。解雇予告手当を支払う会社は、解雇予告手当金額20.42%に当たる額を源泉徴収し「退職所得の源泉徴収票」を作成する必要がございます。尚、解雇予告手当は労働の対償となる賃金には該当しないため、社会保険料、雇用保険料を控除することはできません。

行方不明や長期欠勤等で連絡が取れず、解雇を行う場合は会社として十分な対応(連絡を取れるように様々な手段を用いた努力を行ったか等)が必要になり、また、労働基準法に従って手続きを行う必要もございますので、時間や手間がかかります。このような観点から、就業規則に、従業員が行方不明になった際は「自然退職」とする旨を定め、それに基づき自然退職で対応されることをおすすめ致します。

※こちらの情報は2020年12月時点のものです