ハンバーガーの商標

※こちらの情報は2024年12月時点のものです
物価の比較対象としてBig Mac®の価格がしばしば引用されます。2024年7月のBig Mac価格は、スイスの1,208円が最も高額です。その他の国においても、英国844円、米国841円、韓国607円など、日本の450円よりかなり高額です。さて、今回は、ハンバーガーの商標の話題です。
スーパーマックス
世界最大のハンバーガーチェーンであるマクドナルドですが、商標に関して係争がありました。係争の相手方は、ハンバーガーチェーンのスーパーマックス(Supermac’s)です。スーパーマックスはあまり日本では知られていないですね。ハンバーガー好きの私も知りませんでした。Webの情報によれば、スーパーマックスは、アイルランド最大のファーストフードレストランであり、1978年にPat McDonaghさんによって設立されたとのことです。2019年にはアイルランドで118の店舗を展開しているようです。マクドナルドとスーパーマックスの係争は、米国ではなくEUを舞台にしています。
Big Mac
争いとなったのはマクドナルドの商標「Big Mac」です。発端はEUにおける商標「スーパーマックス」の登録に関してマクドナルドが混同の可能性があるという理由で異議を申し立てたことに始まるようです。これに対して、スーパーマックスが2017年に、EUにおける登録商標「Big Mac」に対して、不使用を理由とした取消を求める申し立てをしました。登録商標を維持するためには継続した使用が条件となっており、不使用を理由に取り消される場合があります。途中の経過は省略しますが、2024年6月5日欧州司法裁判所は、登録商標「Big Mac」の一部を取り消す判決を下しました。マクドナルドのEUにおける「Big Mac」の商標が全て取り消された訳ではなく、「飲食物を提供するサービス」と「鶏肉商品」に関して商標が取り消されました。
指定商品
商標権は、指定された商品・役務との関係で成立します。例えば商標ABCが、指定商品「パン」に関して登録された場合、ABCを独占的に使用できるのは「パン」だけです。他社が「ジュース」にABCを使用する行為には権利は及びません。EUにおいて商標「Big Mac」の登録が取り消されたのは、「飲食物を提供するサービス」と「鶏肉商品」であり、ビーフハンバーガーに関しては取り消されていません。したがって、マクドナルドにとって最も大事な商標は維持されたと言えるかもしれません。しかし、「飲食物を提供するサービス」に関する商標「Big Mac」が取り消されたため、レストランの看板としてBig Macを使用することはできないことになります。
ポイント
商標権は、使用する商標(文字やマーク)と指定商品・指定役務との組み合わせで成立します。

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