【Q&A】試用期間と解雇

※こちらの情報は2022年4月時点のものです

Q.相談内容

最近入社した試用期間中の正社員ですが、上司の命令に従わず、欠勤や遅刻も多くて困っています。解雇したいので、具体的な対応や手続き方法について教えてください。

A.回答

解雇するにしても、雇用契約が破綻しており、会社が当該労働者の解雇回避について努力していることが必要と考えられるので、実態の確認をしてください。また、解雇制限に該当しないことを確認の上、試用期間14日経過している場合、解雇予告の手続きが必要です。

①試用期間における解雇の可否について

解雇に関して、労働契約法第16条で一定の制限をしていますが、三菱樹脂事件(最高裁S48.12.12)より、試用期間にある正社員の解雇は、その制限は広い範囲で解雇することが可能と解釈されております。

②雇用契約の破たんと解雇回避の努力について

労働者は、労働基準法第2条第2項において、就業規則や労働契約について遵守し、誠実に義務を履行しなければならないとされています。一般的に会社が定める就業規則は、就業におけるルールを定めており、目的は円滑な会社運営であることと考えられるため、そのルール(会社の指揮命令に従う、正当な理由のない欠勤や遅刻はしないこと)を守らない労働者について、会社は注意・指導を行い、改善しない場合は懲戒処分のうち「けん責」処分で将来を戒めるとともに始末書を提出させ、経緯が第三者から見ても明らかになるよう記録を残すことが有効と考えられます。このように、就業規則に定めるルールに違反していること(雇用契約の破たん)の確認と、雇用継続(解雇回避)の努力をしていることが、有効な解雇となるための必要な会社の対応と考えられます。なお、懲戒処分は労働契約法第15条から、就業規則に規定されていることが必要となります。

③解雇制限、解雇予告と除外認定について

労働基準法他法令にて、一定の場合は解雇を制限しております。雇用から14日経過していれば、原則、30日以上前に解雇予告しなければなりませんが、予告した日の翌日から起算して30日以上の期間があることが必要です。(労働基準法第19条)例外として労働者の責めに帰すべき事由による解雇(懲戒解雇に限定されない)の場合、同法の除外が可能とされていますが、労働基準監督署の認定は必ず受けられるものではないため、原則通り30日以上前に予告のうえ解雇するべきと考えられます。なお、認定を得るために2週間程度時間がかかると考えられます。

④解雇以外の選択について

先述の通り、解雇するまでに様々な手続きが必要となります。そのため、法の規制を受けない「退職勧奨(合意退職)」といった方法で、納得して離職して頂く方法も考えられます。

合意を得たことを明らかにする書面(退職勧奨合意書)は、当社HPの会員様コーナーにてご用意させて頂いております。また、就業規則の変更等サービスも承っておりますので、合わせてご利用ください。