【Q&A】試用期間の延長

※こちらの情報は2022年11月時点のものです

Q.相談内容

試用期間を延長することはできますか?

A.回答

就業規則にて試用期間を延長する可能性がある事について規定されており、かつ、試用期間を延長する合理的な理由がある場合には、延長することができます。

  • 試用期間と延長
    試用期間とは、採用後にその労働者の勤務態度や性格、能力をみて、従業員としての適格性があるか、本採用とするかについて判断するための期間となります。
    しかし、試用期間中に私傷病によって欠勤が続いた場合など、十分に従業員の適格性を試用期間中では判定しきれないケースも想定されます。
    そういったケースに備え、あらかじめ就業規則にて、試用期間の延長について定めておくことで、その定めに準じ、試用期間を延長することが可能となります。
  • 試用期間延長の理由
    試用期間の延長することは、労働者にとって本採用に至らない不安定な地位の期間を延長する事にもなります為、どのような理由でも行えるわけではありません。裁判例(大阪地裁 平28.11.18判決)では、就業規則や労働契約において、延長の可能性及び期間が規定されていること及び、延長の理由が「職務能力や適格性について調査を尽くしたものの、当初予定した試用期間では採否の判断が困難であることから、さらに相当な期間、必要な調査を尽くして職務能力や適格性を見出すためであるか」、「職務能力や適格性に問題があるものの、なお労働者に相当な期間を付与するためであること」といった合理的な理由が必要であると、判示されています。
  • 試用期間の長さ
    試用期間の延長について、法令上の制限はございませんが、あまりにも長い期間(当初の試用期間と通算して12か月を超える場合)を設定する場合、公序良俗違反として無効とされる可能性がございます。当初の期間と延長期間を通算し、6か月程度から12か月以内とすることが妥当と考えられます。
  • 試用期間を延長する場合の通知
    試用期間の延長を行う際には、当初の試用期間満了前までに、本人に対しての事前通知をする必要がございます。裁判例(長野地裁諏訪支部 昭48.5.31判決)では、「試用期間の延長は合理的理由のある場合にのみ許されるだけでなく、試用期間延長の通知は必要であって、これを欠くときは、当初の試用期間満了とともに労働者は本採用の地位を取得する」と判示されています。
    その為、試用期間満了前に、本人と面談等を行い、試用期間中にみられた問題点や、試用期間を延長する理由についてフィードバックするとともに、試用期間の延長を通知することが望ましいと考えられます。