【Q&A】就業規則の効力は労働基準監督署に届け出た日に発生するのか?

※こちらの情報は2025年1月時点のものです

Q.相談内容

現在、弊社では、試用期間の延長を新たに規定したり、休職については今までの内容を見直し、適応障害などの疾患にも対応できるような内容を追記するなど、就業規則の変更の手続きを進めています。
そして変更後の就業規則の施行日は新年1月1日からと設定しました。
ところが12月は例年繁忙期である為、従業員へ周知したのが12月29日、過半数代表者から意見書を提出してもらったのが12月30日になってしまいました。年末年始は会社も休みの為、暦の関係で労働基準監督署へ届出ができるのは早くとも仕事始めの1月6日になってしまいます。
仮に1月6日に労働基準監督署へ届出をした場合、就業規則の効力はいつから発生することになるのでしょうか?

A.回答

今回のご質問では、12月29日に労働者への周知が完了しているということですので、届出が1月6日になったとしても、新たな就業規則の効力については新年の1月1日の施行日から発生しているということになります。

では、就業規則の効力について労働基準法ではどのように規定がされているのでしょうか。
労働基準法では、第89条で、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成、変更する場合は、行政官庁に届け出なければならない」と定めがあり、次に第90条では、就業規則の作成、変更の手続について、第1項で「使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」とし、第2項で「使用者は、前項の意見を記した書面を添付しなければならない」とあるに留まり、効力の発生のタイミングについて特に規定がおかれているわけではありません。
そこで、これまでの裁判例などを確認してみますと、フジ興産事件においては、「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容の適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する(平15.10.10 最高裁第二小法廷判決)」という裁判例や、NTT西日本事件では、「労働基準監督署に対する就業規則の届出は、就業規則の効力発生要件ではなく、使用者が就業規則を作成し、従業員一般にその存在及び内容を周知させるに足る相当な方法を講じれば、関係当事者を一般的に拘束する効力を生じる(平13.3.30 京都地裁判決)」と判示しています。以上より、就業規則の効力は「従業員への周知を行った時」に効力発生の要件が整います。あわせていつから適用するのかというと、従業員に対して周知した日、つまり施行日から実際の適用の効力が発生するというのが一般的な行政解釈となっています。
従って、「過半数組合または過半数代表者からの意見書が提出された日」や「労働基準監督署へ届出を行った日」といった事実行為自体には就業規則の効力の発生に関して直接影響を与えるということは無いということになります。
補足となりますが、就業規則の変更の効力につきましては、「周知」は重要な要素のひとつではありますが、変更する就業規則の「内容の合理性」や「法令等の基準を満たしているか」など、労働契約法 第10条、第13条といった他の要素もあわせてお考えいただく必要がありますので、変更の際にはこちらもご注意ください。

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