連帯保証債務の相続

※こちらの情報は2025年1月時点のものです
Q.
2か月前に父が亡くなりました。相続人は、母、私(兄)、妹の3人です。父は会社を経営していて、私も役員として経営に参画しているのですが、銀行からの借入の連帯保証人になっています。
この相続はどうなるのでしょうか。
A.
相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の権利義務が相続人に承継されます(民法896条)。 したがいまして、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産も承継され、連帯保証債務も相続されることになります。銀行との関係では、相続分に応じて債務も相続されることになります。
もちろん、遺産分割協議で相続分と異なる割合で相続することにすることはできますが、債権者との関係では、そのことを当然に主張することはできません。ですので、債務を相続したくないときは、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申立をすることができます。この場合、プラスの財産も相続できなくなります。
先程も述べましたとおり、全ての財産が相続の対象になりますので、お父様が銀行に負った連帯保証債務も相続されます。相続人の間で、この債務を一人が相続するという協議をすることもできますし、相続分割合を変えて協議することもできます。
しかし、このように相続分と異なった協議をした際、銀行がその内容によるとする場合は銀行の同意が必要です。これは、会社の借入とはいえ、連帯保証人との信頼関係を基礎に会社に貸付けたという面があるからです。銀行は、会社の支払いが滞った場合、相続分に応じて各相続人に請求ができるわけですが、これと異なる形での協議を承諾すれば、それに沿った請求となります。
ただ、本件では、あなたがお父様とともに会社の経営をしてきたということのようですから、会社の経営状態等によっては、銀行はあなた一人が連帯保証債務を相続することに同意する可能性はあると考えられます。いずれにしましても、相続分と異なった割合の遺産分割の協議をまとめるのであれば、その前に銀行と交渉し、借入の負担について銀行の承諾を得る必要があります。本件で、銀行が連帯保証債務の相続はあなただけとし、お母様と妹様の負担は免除するとなった場合、その旨の書面を作成することになります。
質問とはそれますが、中小企業金融における経営者保証につきましては、行政の関与のもと、日本商工会議所と全国銀行協会が共同で、有識者を交えた「経営者保証に関するガイドライン研究会」を設置し、「経営者保証に関するガイドライン」を策定・公表していますので、ご参考までにお伝えいたします。
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