そもそも商標って何?

著者:【弁理士】坂根 剛

※こちらの情報は2025年6月時点のものです

本稿執筆時(2月末)において、関西万博の開幕日(2025年4月13日)が近づいてきました。
私は大阪に在住しているため楽しみにしているのですが、報道などによると前売り券の売れ行きが予想を下回っているなど、順風満帆ではないようです。
このポケットプレスが発行される頃には、万博が開幕していると思いますが、きっと大盛況になっていることと思います。
さて、今回は皆様もよく知っている商標について、「そもそも商標って何なの?」という観点のお話です。

商標とは

商標と言えば、ほとんどの人はおおよその意味は知っていると思います。例えば、自動車の車名、スマートフォンの機種名、お菓子の品名、ファーストフード店の店名など、様々な商標が存在します。
しかし、商標とは何か? と聞かれると、その意味を正確に説明することはなかなか難しいと思います。
一般には商標とは、会社などの事業を行う者が、自社の取り扱う商品・役務(サービス)を他社のものと区別するために使用するマーク(識別標識)を意味します。少々まわりくどい言い方ですが、要は、自分の会社の製品、サービスを間違えずに選んでもらうための「しるし」ということです。

商標の役割

もし、商標が存在しない社会であればどうなるでしょうか。例えば、消費者が以前食べて美味しかったお菓子をもう一度買おうと思ったとき、頼りになる商標がありません。消費者はお菓子の外観などを見て、たぶんこれだろうっていう曖昧な情報を頼りに買い物をすることになります。
このように商標の役割はとても重要ですが、消費者はあまりそれを意識しないものです。
商標は、消費者が以前買った商品と同じ事業者(会社)の商品を買うため、また、以前受けたサービスと同じ事業者(会社)のサービスを受けるための役割を持っています。あるいは、商標は、消費者が以前買った商品と同じ品質の商標であること、消費者が以前受けたサービスと同じ質のサービスであることを示す役割も有します。
それ以外にも、商標は広告的な役割を有します。かっこいいネーミング、スマートなブランド名など、商標は商品の売れ行きにも影響を与えます。むしろ、消費者はこの観点の意識の方が強いかもしれません。

商標法の歴史

日本の商標法の始まりは、明治17年(1884年)に制定された商標条例です。ただし、商標自体はもっと古くから使用されていました。鎌倉時代から商標が使用されていたと言われています。
最初に登録された商標は、明治17年10月1日に出願され、明治18年8月2日に登録された「膏薬丸薬(こうやくがんやく)」(出願人:平井祐喜)です。平井祐喜さんは、京都の売薬業者の方であったようです。
その後、明治32年(1899年)に最初の商標法が制定されました。現行の商標法は、昭和34年(1959年)に制定されたものです。
海外では、フランスにおいて「製造標及び商業標に関する法律」が1857年に制定されたのが最初です。

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