餃子の意匠

著者:【弁理士】坂根 剛

※こちらの情報は2025年8月時点のものです

大阪・関西万博が開幕しました。私も開幕日から1週間後の日曜日に行ってきました。まずは、全周2kmもある大屋根リングに驚かされました。建設費が高額であることなど、マスコミでは色々と問題視されていましたが、とても壮大で美しい建築物です。万博の主役はパビリオンだと思いますが、この大屋根リングは見る価値があります。
また、大屋根リングの上に登ると、万博会場全体や大阪湾を見渡すことができ、爽快でした。さて、話は変わって今回は餃子に関する意匠の話題です。

ビビゴ餃子

韓国の食品会社であるCJ第一製糖は、冷凍餃子の製造・販売を行っています。CJ第一製糖の「ビビゴ餃子」は冷凍餃子のブランドであり、北米の冷凍餃子市場でシェア一位のようです。韓国語では餃子のことを「マンドゥ」と呼び、日本においても、「王マンドゥ」、「ひとくちマンドゥ」などの冷凍食品が売られています。

餃子の登録意匠

そのCJ第一製糖が、米国において餃子の形状に関する意匠登録を取得したことが話題となっています。インターネット上のニュースでは、CJ第一製糖が餃子の形状に関する特許を取得したと報じられていますが、正しくは、意匠登録です。つまり、餃子の外観・デザインに関する意匠登録がされました。
CJ第一製糖は、最初、WIPO(世界知的所有権機関)に対して、ハーグ制度に基づく意匠の国際出願を行いました。そして、この意匠国際出願に基づき、日本、米国、英国、欧州連合などで意匠登録がされています。
意匠国際登録の公報を見ると、この登録意匠は下のような外観を有します。
このように登録意匠では餃子の皮の表面に2本一組の線状の突起が複数形成されています。私の知る限り、確かにこのような表面形状を有する餃子を見たことがありません。意匠は外観・デザインを保護する権利ですが、このような表面形状は触感にも影響するでしょう。果たして日本でも販売されるのでしょうか。

他国の反応

今回の韓国企業による意匠登録に対して、中国メディアが批判しているようです。インターネット上でも、餃子は中国伝統の食品であって韓国企業が意匠登録をしたことに批判があるようです。
しかし、意匠登録をする物品の発祥の地がどこの国であるかは、その物品の意匠を登録する上で何らかの制約となることはありません。それは特許でも同様のことです。

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