近年の相続発生時のトラブル対策デジタル遺品

※こちらの情報は2025年9月時点のものです
多くの高齢者がスマホを持つ時代です。現金での支払いが減り、キャッシュレスのネット取引も盛んに行われるようになりました。一番身近な銀行も通帳を無くしていくように勧奨しています。社会が大きく変わりつつある中で、デジタル化に馴染んでいない高齢者にとっては、ID・パスワードの管理や、スマホやパソコンの中のデータ管理などについて、不安も大きく、精神的に大きな負担になっていることも事実です。さらに、認知症になった時や、相続が発生した時に備えて、トラブルの起きない準備も必要不可欠です。デジタル化は今後もかなりのスピードで進んでいくでしょう。デジタル化から逃れることは難しいので、一人一人が将来困らないように備えるべき事前の準備に早めに取り組みたいものです。
近年、相続発生時にスマートフォンやパソコン等が普及したことによる「デジタル遺品」について問題になることが多くなっています。故人がネットを利用して保有していた資産のデータや契約口座のアカウントなども含めて、ID、パスワードの手がかりがないために手続きに困る、財産が把握できないなどのケースが発生しているのです。
よくある事例
- オンライン上で契約していたサービスの情報がわからない。
- ネット銀行の契約先がわからない。
- コード決済サービス事業者の解約手続きができない。
- 故人が契約したサブスクの請求を止めたいが、IDとパスワードがわからない。
- スマホやパソコンで管理していた友人・知人の名簿などが開けない。
- 利用していたSNSやブログの管理・削除が出来ない。
- 必要な情報を得る前に誤って端末を初期化してしまった。

デジタル遺品の処理で困らないための事前の対策は?
独立行政法人国民生活センターデジタル終活資料より
対策1. ネット上の資産やサブスクの契約は、サービス名・ID・パスワードを整理しておく
遺族は、故人がどの事業者と契約していたのかを調査し、相続や解約などの手続きをすることになります。特にネット上の資産やサブスクのように、オンラインで契約するサービスは、契約書面が紙ではなくメール等で交付されているケースがほとんどで、遺族が簡単に見つけられないことがあります。契約しているサービスとID・パスワードを、日頃から整理しておきましょう。
ID・パスワードを整理する際には、スマホのソフトウェア提供事業者が提供するアプリを活用することで、効率的に管理することもできます。
対策2. 遺族がスマホやパソコンのロック解除ができるように準備しておく
手順1
名刺大の紙にID・パスワード等を記入し、その部分に修正テープを2~3回重ね貼りしマスキングして保管しておきます。 そして万が一、誰かが修正テープ部分を削ってパスワード等を見たことに気付いた場合は、すぐにパスワードを変更するなどして対処します。
<管理の必要なID・パスワードの例 >
① 携帯電話・パソコンのログイン情報等
② 写真・動画・住所録などの保存データ
③ メール、SNS等の情報(各アカウント、ID、パスワード)
④ オンライン口座(銀行、株式、FX、仮想通貨等)
⑤ サブスクの有料サービス(音楽・動画配信、電子書籍等)
の契約状況
手順2
相続が発生するなど遺族が必要となったときにコインなどで修正テープ部分を削ってパスワード等を把握します。
スマホやパソコンの中には、様々な契約情報が記録されています。故人がどのような資産を持っていたのか、どの事業者とどんな契約をしていたのか調べるには、スマホやパソコンに保存されているデータを確認することになるため、万が一の際に、遺族が故人のスマホやパソコンのロック解除のパスワードを確認できるようにしておく必要があります。
一方で、スマホやパソコンのパスワードは、第三者に知られないよう適切に管理することが求められ、日頃から共有しておくと思わぬトラブルにもなり得ます。緊急時の対策として左記の工夫をするのも一法です。
対策3. エンディングノートを活用する
エンディングノートとは、自分自身に何かあったときに備えて、家族が様々な判断や手続きを進める際に必要な情報を残すためのノートです。スマホのパスワードや契約中のサービスの整理に活用しましょう。
対策4. 自分自身に何かあったときに備えて、スマホ等のアカウントにアクセスできる人を指名できるサービスを活用する
スマホのソフトウェア提供事業者では、アカウントの保有者が亡くなった場合に、誰がそのアカウントの情報にアクセスできるようにするのかをあらかじめ設定できるサービスを提供しています。事前に設定しておくことで、遺族が故人のアカウントにアクセスでき、デジタル遺品を確認しやすくなります。
参考文献 : 国民生活センター「くらしの豆知識」(2023年版、2024年版)、独立行政法人国民生活センター 報道発表資料(2024年11月20日)
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