商標の不使用取消審判

著者:【弁理士】大上 寛

※こちらの情報は2025年9月時点のものです

皆様こんにちは! 弁理士の大上寛です。まだまだ暑い日がつづきますが、いかがお過ごしでしょうか。
今年の4月は米国大統領による貿易関税政策により、主に輸出入関係の会社にとっては大きな影響が出るものと予想されました。
90日間の延長措置となりましたが、この記事が出ている頃には結果が出ていると思いますが、インフレが更に進んでいるのではと予想いたします。
それでも日本の不動産、人件費は安いものとなるでしょうし、外国人優遇が過ぎると言われ続けておりますが、インバウンドが減るとますます円安になるという専門家の方もおられます。
あらゆる投資の話がありますが、ギャンブル的な状況であり、いつの世も長期・積立・分散が安全かもしれませんね。
そうは言っても一発当てたいですね(笑)。さて、今回は商標不使用取消審判についてのお話をさせていただきます。

1.勝手に商標が使われている!

インバウンドつながりとなりますが、弊所では外国企業の日本での商標権の取得もサポートしております。先日中国の商標権者から、「うちのレストランが勝手に池袋で開店している!」という問い合わせがありました。中国で数十店舗を展開しているレストランの池袋店が勝手に開業されてしまったようです(笑)。笑い事ではありませんが……。SNSアプリ「小紅書(RED)」での投稿で気がついたとのことです。

2.現地に行ってきました

その池袋店があるといわれる現地に行ってみたところ、確かに営業がされておりました。登録商標に類似する商標を堂々と使用しており、外装・内装ともにコピーされているようでした。知っている人からすれば、「池袋店ができたんだ」「おめでとう」などと誤認してしまうかもしれません……。本家にとってはいい迷惑ですし、粗悪なサービスが提供された場合には評判を落としてしまうことになり、まさに商標権侵害と言えるでしょう。

3.ただし権利行使は慎重に…

さっそく使用差し止めを実行したいところですが、その商標権が登録から3年を経過しており、日本での使用実績がない状況でした。この場合、仮に、商標権侵害を訴えた場合には、相手方に不使用取消審判を請求されてしまうと、逆に商標権が取り消されてしまうリスクがあります。つまり、商標権を持っていても3年間日本国内で使っていなければ、カウンターによって逆に取り消されてしまうことになってしまうのです。
商標権を持っていても、肝心なときに権利行使できないということになってしまいます。

4.対策

商標権は取得して終わりではなく、権利行使の際に実際に使用していることが必要になる場合があります。特に、外国において先取り的に商標権を取得しておきながら、現地展開しない場合には取り消されてしまうという状況が生じることがあります。
日本企業が中国で商標権を取得した場合でも、上記と同じように、実際に中国で使用していない場合には、取り消されてしまうというリスクがあります。
このようなことを防ぐには、継続的に現地の状況を把握することや、新たに権利を取得して不使用でも大丈夫な期間を確保するということが考えられます。
『商標権があれば大丈夫!』とは必ずしもなりませんので、ご注意ください。

■お問い合わせ先

東日本

大上特許商標事務所
弁理士 大上 寛

TEL. 03-3347-1290
FAX. 050-3156-1159
URL http://ogami.jpn.cx/
Mail hiroshi@ogami.jpn.cx

西日本

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弁理士 坂根 剛

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