【Q&A】退職勧奨

※こちらの情報は2023年1月時点のものです

Q.相談内容

素行に問題のある従業員に対して会社から退職を促す場合、注意する事はありますか。

A.回答

会社から退職を勧め本人の合意を得て退職させる、いわゆる「退職勧奨」を行う場合、退職を強要しトラブルへ発展しないように進めていただく事が重要となります。
なお、会社から一方的に労働契約を終了させる「解雇」では、争いに発展するリスクが大きく、30日前の解雇予告あるいは解雇予告手当の支払い等も必要となる為、まずは退職勧奨を先行させ、合意による退職を目指すことが望ましい対応と考えられます。

1.「退職強要」とならないよう注意

退職勧奨にあたり、会社が従業員に対し、社会通念上相当と考えられる限度を超えて不当に心理的圧力を加えることや、名誉感情を不当に害するような言葉を用いることによって従業員の自由な意思決定を妨げるような言動をすることは、退職を強要している(以下、退職強要)とされ、不法行為と判断されます。不法行為と判断されれば、民法第715条の定めにより、会社は損害賠償義務を負うことになります。

過去の裁判例から、以下のような行為があった場合には退職強要であると判断されております為、退職勧奨の際には注意が必要です。

  • 退職勧奨に応じなければ解雇するというような趣旨の発言を行うこと
  • 退職をさせる目的で仕事を大幅に減らす、配置転換をすること
  • 従業員が退職しない意思を明確にしているにもかかわらず、執拗に退職勧奨を行うこと
  • 従業員に十分な検討の時間を与えず退職を迫ること
  • 長時間にわたる退職勧奨を行うこと
  • 大人数で退職勧奨を行い心理的な圧力をかけること

2.退職勧奨を行う際のポイント

  • 面談時…従業員と面談を行い、退職勧奨を行います。面談の際は、退職勧奨に至った具体的な理由や、退職勧奨を行うまでに会社が従業員に対して行った努力(例えば、何度も勤務態度を改めるように指導していたなど)を伝えます。なお、面談の内容は、後日トラブルに発展した場合に備え、議事録等の書面で記録しておくことが望ましいです。
  • 退職の同意を得られた際…退職勧奨を行い従業員の合意を得られた際には、認識のズレなどによるトラブルを防ぐために合意書を交わす事が望ましいです。一般的には、従業員が退職の意思を伝える際は口頭でも問題なく、必ずしも書面を交わす必要はありません。ただし、退職勧奨に限らず労使間のトラブルでは、口頭でやり取りを行ったが故に書面による記録や証拠が無く、やり取りの事実を証明する事が出来ない状況に陥るケースが多く見受けられます。合意書を交わすことで、退職の意思や条件が明文化され、労使トラブルを回避できるというメリットがあります。

上記「退職勧奨合意書」につきましては、弊社ホームページの会員様コーナーより雛形をダウンロードいただけますので、是非ご活用ください。

【参考URL | 厚生労働省ホームページ】
労働契約の終了に関するルール
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/keiyakushuryo_rule.html

【参考URL | 弊社ホームページ】
会員様コーナー(ログインID、パスワードにつきましては、本誌裏表紙にて記載がございます。)
https://www.cacgr.co.jp/clients/document/kiteisyo/